水産業とマーケティング理論 [私見・考え方]
私たちが住むこの日本には、四季があり、
私たちが扱う「魚」には、魚種それぞれに「旬」があります。
しかし最近、エルニーニョ現象などの異常気象に伴う気候の変化などの影響で、
海の中もひっちゃかめっちゃかになり始めています。
ただ漁業の場合、水揚げの殆どが、毎年同じ場所で同じ魚が同じ量ずつ獲れるということは、
100%ありえないことで、慣れっこと言えば慣れっこです。
量販店さんや大手飲食店さんの場合大体が、
昨年○○魚の水揚げが大量で価格が安かったから、
今年は「特売」や「目玉商品」にしよう! と言うことになります。
誰でもそうですが、価格が安いに越したことはありません。
しかし、気流や海流の状況は毎年違いますので、
「○月○日に特売だから揃えてね」 とか、
「○月○日から○月○日までフェアだから、切らさないでね」なんて、
そんなにうまく行くわけはありません。
写真は、2006年の「第3回鮮魚の達人集会」後の懇親会です。
残念ながら、現在は参加されていない方も数名いらっしゃいます。
これを、無計画だから消費するものにとって良いことではないのは十分理解しています。
世の中、マーケティングという理論の中でその価値を最大に高められるのも、
ある程度ですが、理解しているつもりです。
前のブログでも書きましたが、
前日に獲りに行って魚が上がった場所には魚探に魚影が映り、居ることは間違いないのに獲れない、
このような大自然に左右される状況下で、マーケティング理論なんてとても使えないと考えています。
ノルウェーの大規模漁業と比較されることが良くあります。
「あんなもん、比べる対象じゃないよ」と、頭から全く否定する人も業界内にはいらっしゃいますが、
あれはあれで日本の漁業者も勉強することはたくさんあります。
中央市場が、仲卸や量販店、飲食店にとって「少しでも安く買う」事が目的である場所である以上、
この先どうなるかは、もう十数年前から見えてしまっています。
大きく新しい流れとしては、生産者や産地仲卸(仲買)が、直接大手と手を組み始めています。
確かに某大手量販店と某山陰地方の漁連との取組は、
利害調整に手間がかかり、双方とも割に合っていないのは確かな状況ですが、
市場を通さず大手に流通させた最初の事例として、
特に地方の漁業者とその団体に勇気を与えたのは、周知の事実です。
私にも、何が正解かは現在のところ全くわかりません。
しかし着実に日本近海の魚は減少してきているし、
地球温暖化を含めた異常気象も、今後頻繁に起こると考えられています。
大漁旗に代表される「たくさん獲る漁業」から「良いものを獲る漁業」への転換を、
今後日本の、漁業だけでなく、食糧自給全体の問題からも、考えていかなければなりません。
その後、資源が増えればまたたくさん獲れば良いんです。
但し、計画的にね。
世界で、漁獲量は減少しているのはなんと日本だけなんです。
ノルウェーも減少はしているのですが、単価を上げる努力をしているので、
金額は上がっているのです。
ノルウェーの漁業者団体は、補助金はいらん!と言うそうです。
漁業者が努力をしなくなるから、と言うのがその理由です。
大きく言えば、私たち日本人は、大自然から挑戦状を突きつけられています。
それは漁業者や私たち水産事業者だけでなく、消費する皆さまにも同じことです。
是非、この不安定な水揚げによる漁業者、水産事業者の現状を
皆さまにご理解いただきたいと考えています。
本当においしい魚を安く食べたいのなら、この際ですからはっきり言いますが、
本当の意味での水産業を理解していないマスコミや、
つけられた魚の名称、既存の価値観にとらわれず、
「私達鮮魚の達人の言うことを聞いてください!」
それで日本は救われます。
追記:カテゴリーに「私見・考え方」を追加して、この記事を変更しました。
私たちが扱う「魚」には、魚種それぞれに「旬」があります。
しかし最近、エルニーニョ現象などの異常気象に伴う気候の変化などの影響で、
海の中もひっちゃかめっちゃかになり始めています。
ただ漁業の場合、水揚げの殆どが、毎年同じ場所で同じ魚が同じ量ずつ獲れるということは、
100%ありえないことで、慣れっこと言えば慣れっこです。
量販店さんや大手飲食店さんの場合大体が、
昨年○○魚の水揚げが大量で価格が安かったから、
今年は「特売」や「目玉商品」にしよう! と言うことになります。
誰でもそうですが、価格が安いに越したことはありません。
しかし、気流や海流の状況は毎年違いますので、
「○月○日に特売だから揃えてね」 とか、
「○月○日から○月○日までフェアだから、切らさないでね」なんて、
そんなにうまく行くわけはありません。
写真は、2006年の「第3回鮮魚の達人集会」後の懇親会です。
残念ながら、現在は参加されていない方も数名いらっしゃいます。
これを、無計画だから消費するものにとって良いことではないのは十分理解しています。
世の中、マーケティングという理論の中でその価値を最大に高められるのも、
ある程度ですが、理解しているつもりです。
前のブログでも書きましたが、
前日に獲りに行って魚が上がった場所には魚探に魚影が映り、居ることは間違いないのに獲れない、
このような大自然に左右される状況下で、マーケティング理論なんてとても使えないと考えています。
ノルウェーの大規模漁業と比較されることが良くあります。
「あんなもん、比べる対象じゃないよ」と、頭から全く否定する人も業界内にはいらっしゃいますが、
あれはあれで日本の漁業者も勉強することはたくさんあります。
中央市場が、仲卸や量販店、飲食店にとって「少しでも安く買う」事が目的である場所である以上、
この先どうなるかは、もう十数年前から見えてしまっています。
大きく新しい流れとしては、生産者や産地仲卸(仲買)が、直接大手と手を組み始めています。
確かに某大手量販店と某山陰地方の漁連との取組は、
利害調整に手間がかかり、双方とも割に合っていないのは確かな状況ですが、
市場を通さず大手に流通させた最初の事例として、
特に地方の漁業者とその団体に勇気を与えたのは、周知の事実です。
私にも、何が正解かは現在のところ全くわかりません。
しかし着実に日本近海の魚は減少してきているし、
地球温暖化を含めた異常気象も、今後頻繁に起こると考えられています。
大漁旗に代表される「たくさん獲る漁業」から「良いものを獲る漁業」への転換を、
今後日本の、漁業だけでなく、食糧自給全体の問題からも、考えていかなければなりません。
その後、資源が増えればまたたくさん獲れば良いんです。
但し、計画的にね。
世界で、漁獲量は減少しているのはなんと日本だけなんです。
ノルウェーも減少はしているのですが、単価を上げる努力をしているので、
金額は上がっているのです。
ノルウェーの漁業者団体は、補助金はいらん!と言うそうです。
漁業者が努力をしなくなるから、と言うのがその理由です。
大きく言えば、私たち日本人は、大自然から挑戦状を突きつけられています。
それは漁業者や私たち水産事業者だけでなく、消費する皆さまにも同じことです。
是非、この不安定な水揚げによる漁業者、水産事業者の現状を
皆さまにご理解いただきたいと考えています。
本当においしい魚を安く食べたいのなら、この際ですからはっきり言いますが、
本当の意味での水産業を理解していないマスコミや、
つけられた魚の名称、既存の価値観にとらわれず、
「私達鮮魚の達人の言うことを聞いてください!」
それで日本は救われます。
追記:カテゴリーに「私見・考え方」を追加して、この記事を変更しました。
祝、新ブログ開設!
達人力で日本の食卓を守って下さい。
by Mako (2009-08-12 09:32)
Makoさん
いつもありがとうございます。
今後ともよろしくお願い致します。
by sakanaya-oyaji (2009-08-12 12:12)